中小機構 モール活用型 EC マーケティング支援事業募集

事例集

越境ECモールに活路を見出す ターゲットを絞り込み効果的なプロモーションを実施

企業名
株式会社Ritz
代表者
清水 厚芳
事業内容
雑貨、化粧品、コンタクトレンズの企画、販売
越境EC サイト
https://dokodemo.world/ja/sakuragallery/
日本の高い品質基準をクリアした日本の有名メーカーのカラーコンタクトレンズや日本ブランドのコスメ、スキンケア、美容雑貨を、海外のお客様に対し越境ECで販売しています。

越境ECを始めようと思ったきっかけ
リアルでの販売で手ごたえを感じ、越境ECに活路を見出す

前職で10代から20代の女性をターゲットとした化粧品や理美容商品の企画開発に従事しており、SHIBUYA109にアンテナショップを展開していました。5年程前から日本に旅行に来た海外のお客様が商品に興味を示し購入していく機会が増えてきたのを感じていました。

そこで台湾やタイ、フランス、イギリスでの日系イベントへ参加しプロモーション兼マーケティング活動を行いました。その結果、いずれの国でも大きな反響があり、確かな手ごたえを感じていましたが、リアル店舗の展開は費用やリソース、現地法令等の問題があり、非常にハードルが高いと感じていました。そのような中、2015年頃から中国資本の越境EC企業への卸売り事業をスタート。非常に大きな販売実績が出来たことで先方とバッティングしない領域で自社越境ECの運営に取り組むことを決めました。

越境ECに取り組む上で工夫した点
ネットとリアルの取り組みを分析し、ターゲットを絞り込む

出店はモールありきで考えていました。主として取り扱う商品のほとんどが広告に有名タレントを使用しており、海外にサーバーを置いているモールではタレント肖像の使用許諾を得られないケースが多いことから、日本国内にサーバーを置く越境EC専門モール「DOKODEMO」へ出店することにしました。モール出店のメリットは、サイト制作やプロモーションの方法に関して情報提供してもらえる点です。例えば「モールの場合はSKUがあったほうが動く」とアドバイスを受けて、出品する商品の種類を多くするなど工夫をしています。また、既に越境ECサービスの競争が激化している中国以外の国に向けてローンチできる点も考慮しました。

これまでのアンテナショップでの実績、SNSの動向、検索エンジンのトレンド分析から、製品に興味・関心を持っている層にターゲットを絞ったことで、販売開始からかなり早い段階で手ごたえを感じることができていました。実際、プロモーションは、モール内での誘導広告、InstagramやFacebook等のSNS広告を時期や国を限定して実施しています。また、昨年末に他社から国内向けEC事業を買収し、システムインフラの強化も図りました。企画、MD(マーチャンダイジング)、プロモーション以外はすべてアウトソーシングして、外部パートナーをうまく活用しながら社内のリソース確保に努めています。

実際に取り組んでみて難しかった点
使い方、メリットの訴求にハードル

国内では一般的な売り方、表現がうまく伝わらなく、最初は苦労しました。例えば、日本の使い捨てコンタクトレンズは1dayタイプのものから1ヶ月装着できるものまで様々なタイプがありますが、国によっては再使用するという概念が無かったり、商品の使い方やメリットの訴求が大事になってきます。対象国の文化や慣習に合わせて説明文章も変えていく必要がある点などに難しさを感じました。

また、商品の説明やキャッチコピーの翻訳にも苦労しました。翻訳のエキスパートが必ずしも当サイトの取り扱う商品の文化背景まで熟知しているわけではない為、特に化粧品のコピーライトについては直訳では伝わらない内容がたくさんあり、海外の人に商品のアピールが的確にできているのか逆検証できないもどかしさがあります。

本事業で良かった点

費用面での負担が軽減しました。当社の場合、制作実務がほとんどアウトソーシングの為、初期費用で二の足を踏んでいたので背中を押してもらえました。また、中小機構の補助を受けている旨の説明をすると、取引先メーカー(事業パートナー)から、商品の販売許諾等、協力を得やすくなったのもメリットの1つだったと感じています。

課題点としては実施期間が短かったことです。サイト制作の期間がほとんどで販売期間があまりとれませんでした。また現地市場データやユーザー動向等の情報、それらを踏まえたプロモーション等のアドバイスがあるとありがたいです。

今後の方針

今はまだ翻訳精度の問題や、メルマガ等リピーターへの対応、レビューがあまり入らないといった課題があるので、それらをクリアしながら、今後も継続して越境ECに力を入れていきたいと考えています。

専門家の意見

基本的にモールの展開を戦略に含めたこと、世界展開を考える上で安易に外国のサーバーにせずに国内サーバーにした点、様々な点で越境ECの成功しやすい方程式に則った取り組みだと思います。
現在はモール展開に注力しているとのことですが、商売がより軌道に乗ってきたら、モールの手数料などが利益を圧迫してくることも考えられるため、いずれかの時期にモール依存からの脱却のために独自ドメインサイトを作るタイミングが来ることになるでしょう。しかし、その際もモールはプロモーションの一環として利用し続けていけば、鬼に金棒です。(中小機構 販路開拓支援アドバイザー:横川)